見習いとして就職した料理屋での低い時給
工業高校を卒業後は県外の料理屋に就職しました。父親のつてを頼りに見つけてもらった就職先でしたが、工業高校に通ていた私は調理師免許を持っているわけもなく、料理屋では見習いとして働き出しました。見習いの仕事は雑用がほとんどで、毎日店の誰よりも早く出勤し、誰よりも遅く帰宅するという日々でした。そのため労働時間はとても長いでした。月の休みも片手で数えられるほどしかありませんでしたが、それでも毎日一生懸命に仕事をこなしていました。給料は毎月振込によって支払われていたのですが、職場の寮生活をしていたのでお金を使う事はほとんどなく振込されている給料の額は確認していませんでした。就職して半年ほど経った頃、ようやく仕事にも慣れ精神的にも時間的にも余裕が持てるようになりました。そろそろ寮生活をやめて一人暮らしを始めてみようと考え、ずっと使わずにいた給料を使い引っ越しをする事にしました。
就職して初めて自分の給料を確認すると、貯まっているはずの預金は自分が思っていた金額よりもかなり安く驚いてしまいました。いったい自分の時給はいくら位なのだろうと不安になり、自分で計算してみると時給は240円しかありませんでした。さすがにこの時給は労働基準法に違反していると社長さんに文句を言ったのですが、この世界では当たり前の事だと言われてしまいました。あまりの時給の低さに仕事に対するやりがいを失ってしまい、すぐに退職する事に決めました。